レゴ アート ザ・ビートルズ制作秘話
レゴ<sub>®</sub>アート ザ・ビートルズが完成するまで
愛こそはすべて(1967年7月にシングル盤として発売され、全英シングルチャートとBillboard Hot 100の両チャートで1位を獲得)
ベテランデザイナーのキットとクリストファーが、愛をこめてつくり上げた傑作です。そこでBrick Expanderシリーズは、この二人にインタビューし、制作秘話などを聞き出しました。
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レゴ<sub>®</sub>アート ザ・ビートルズが完成するまで
愛こそはすべて(1967年7月にシングル盤として発売され、全英シングルチャートとBillboard Hot 100の両チャートで1位を獲得)
ベテランデザイナーのキットとクリストファーが、愛をこめてつくり上げた傑作です。そこでBrick Expanderシリーズは、この二人にインタビューし、制作秘話などを聞き出しました。
キット:レゴ アートはまったく新しいシリーズです。ピクセル画に丸いタイルを初めて採用したので、決まったデザインフォーミュラはありませんでした。
クリス:新シリーズの開発に関わったことはありますが、デザインフォーミュラはどれも同じでした。今回は、今までにないパーツを使い、正真正銘のディスプレイ用アートを創り出しました。過去のディスプレイモデルは、ごっこ遊びにも使える、いわばハイブリッドだったので、その点が一番の違いです。
キット:試作品を実際に組み立てられないことがわかったので、コンピューターグラフィックスを活用しました。実際に組み立てながら最終製品へ仕上げていくのが常套手段なので、発想の転換と新しいツールが必要でした。
クリス:一般的なレゴの商品開発では、必ず試作品を組み立てます。今回も最初はそのつもりでしたが、あまりにも時間をとられるのでやめました。「ほお骨の辺りがちょっと違うなあ」と思って組み替え始め、満足のいくものが出来上がるまでに丸2日かかったなんてことはざらでした。コンピューター上の作業であれば、画素を一つ変えただけでも、その良し悪しはひとめでわかります。
クリス:ちょっと気楽に考えすぎていましたね。「写真をコンピュータープログラムにかければ、なんてことないさ」と思っていたのは事実です。しかし、実際にフタを開けてみたら、なかなか一筋縄ではいかず、焦りましたよ。
キット:開発期間が3カ月しかなかったから、よけいにプレッシャーがかかりました。
クリス:いや、その商品もキットと二人でデザインしたんですよ。
キット:基本的なカラーは同じでも、被写体によってデザインの手法を変えました。アンディ・ウォーホルのマリリン・モンローは写実的ですが、ビートルズはよりアート性が高くなっています。また、アイアンマンではアーマーをよりリアルに見せるため、表層仕上げを工夫しました。ダース・ベイダー™の場合は、光を意識して、浮彫効果を加えました。通常の商品開発では、同じ手法を繰り返し使うこともありますが、今回は四つの商品それぞれが独創的です。絵画の趣味が、こんなところで役立ちましたよ。色使いの知識がなければ、途方に暮れていたと思います。
クリス:過去のトレーニングで学んだレゴの基本原理を忘れることはありません。最終的な仕上がりだけでなく、組み立て体験も大切です。レゴ テクニックシリーズなどと比較した場合、レゴ アートは単純作業の繰り返しかもしれません。だからこそ、チャレンジ精神を刺激し、楽しく作業を続けられるようにする必要がありました。黒いタイルを続けて50個並べるような単調な作業の繰り返しでは、すぐに飽きてしまいますからね。被写体のシルエット全体を的確にとらえるため、背景や毛髪の濃淡などに工夫をこらしました。
クリス:ビートルズがリリースしたアルバムのジャケットをいろいろ見比べました。ビートルズは長い年月の間に目まぐるしい変貌をとげました。そのため、「一般の人がビートルズと聞いてパッと思い浮かべるイメージ」をまず考えました。しかし、最終的には「レゴで再現したときに最もビートルズらしさを出せる画像」を探し出すことに決めました。
キット:駆け出しの頃のビートルズは、髪型も服もわざと同じにして、没個性的でした。しかし、10作目の「ザ・ビートルズ(通称:ホワイト・アルバム)」から、一人ひとりの個性が輝き始めました。若者から大人に成長した証しです。アルバムの付録ブロマイドでは、それぞれが本当にいい顔をしています。
クリス:もとがそれだけいい写真だと、画素を一つ間違えただけでも、目付きやあごのラインが変わり、まるで別人になってしまいます。何時間もかけて点描した結果がそれだと、本当にガッカリです。
キット:ジョンのメガネとにらめっこしたもんだよ…
クリス:他の男の顔をあんなに見つめ続けたことなんかなかったよ。
クリス:配色が一番の課題でしたね。ブラック X ホワイトの商品はもうあったので、カラーバリエーションを加えようと思いました。緑 X 黄色でさまざまな色相を試してみたら、ビートルズの事務所アップル・コアから「水中写真みたいだ」と言われてしまったり…。
キット:紫とかピンクとか、いろいろな配色を大きな紙の上で試しましたが、最終的に、顔のつくりを引き立て、デザインに深みを与えるオレンジと青の反対色にたどりつきました。ジョンの場合、ブロマイド写真では顔の半分が影で隠れてしまっているので、その部分をうまく作り変える必要がありました。
キット:ポールには不思議な魅力がありますね。ビートルズ全盛期にコンサートに行っていたら、きっとポールの一挙手一投足に釘付けになっていただろうなと思います。
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