1. コンピテンス
コンピテンスとは、ストレスフルな状況に効果的に対処する方法を把握する能力です。特定の状況に求められること、および、適切な対応方法を認識できる子どもは、将来同じような状況に対処する能力についてより大きな自信を持ちます。
子どものコンピテンスを実践させ、またコンピテンスを育む機会となるアクティビティは他にも多くあります。以下はその一例です。
- 自発的な遊びで自立を促す
- 好奇心と、間違い(!)を奨励する
- 自分で自分を励ますことを教える
おもちゃを購入する場合は、子どもに新しい試みを促すものを検討しましょう。一例として、レゴの
マインドストーム® ロボットキットには、949のピースと5つのユニークな
ロボット 組み立てのデザインが含まれており、いくつもの異なるパターンで遊びながら学習できます。
2. 自信
自信に満ちた子どもは、現実の状況を乗り越える場面において、自分や自分の能力を信じることができます。コンピテンスを発揮する機会が多い子どもほど、自信を持つことができます。
作文やお絵かきは子どもにとって楽しく、さらに自分に勇気を与える題材を表現したり、反映させることもできるという点で、自信を育むアクティビティに該当します。
3. 絆
絆を強く実感している子どもは、自らのレジリエンシーを確信する傾向があります。子どもは家族、あるいは友だちやコミュニティのグループで密接な関係性を持つことにより、帰属感を獲得する傾向があります。
子どもに絆を実感してもらうには、コミュニケーションが欠かせません。グループアクティビティに参加して、自身の経験や意見を共有することを勧められると、子どもは自分が傾聴されている、支えられていると感じます。
4. 個性
個性をはっきり自覚している子どもは、自身に備わっている自尊心や自信を認識する傾向があります。この認識があると、子どもはさまざまな状況で何を選べばよいかわかるだけでなく、自分自身が適切だと感じる選択をすることができます。このことは、直接的にレジリエンスの向上につながります。
個性を伸ばすアクティビティは子どもの自尊心や共感性を養い、また子どもが自分の価値を見出す手助けとなります。新しい興味や関心、経験を試す取り組み、日々のルーティーンに取り入れる活動が、個性を伸ばすアクティビティとなる場合があります。
5. 貢献
周囲の世界に対して個人的に貢献していると実感する機会を持った子供は、「寛容さ」が持つ力を理解し、また自分が必要とされていると感じることができます。子どもは貢献を通じて、自分の行動が周囲に影響を与える経験をすることになります。このような経験は、コンピテンスに加え、絆や個性の意識を高めます。
このタイプの学びをサポートするには、時間や気配りに関して「寛容であること」のお手本を子どもたちに示します。また、内容を決めて定期的にお手伝いをしてもらうなど、子どもが貢献できる機会をみつけて提供することもできます。子どもはこのようなアクティビティへの参加を通じて、他者に対する感謝や、さらに貢献しようとする意欲を身につけることができます。
6. 対処
「対処」は、子どものレジリエンスを育む上で不可欠なスキルです。ストレスの緩和やソーシャルスキルといった対処のスキルは、子どもが人生において直面する課題を克服するための土台となります。
ポジティブな対処の戦略を活用する場面を実際に見せることは、子どもの対処スキルの手助けになります。また、オープンな環境を整備することで、安全な空間で会話したり、意見をシェアするよう促すことができます。
7. コントロール
子どもが自分の反応や選択をコントロールできると気づくにつれ、困難な意思決定に際して最善を尽くす方法を理解する可能性も高まります。困難な状況から立ち直る場面で子どもの支えとなるのが、このコントロールの感覚です。
保護者は小さな物事の判断を子ども自身に任せることで、コントロールの感覚を育む手助けをすることができます。どんな
ゲームで遊ぶかや、食事のメニューを何にするかなどの簡単な意思決定がこれに該当します。
また保護者は、行動や選択によって「結果」が生じる、と教えることもできます。これは、子どもが「自分の振る舞いが自身と他者の将来どう影響するか」を考え、理解するきっかけになります。
レジリエンスを育む子ども向けアクティビティ ―― 子どものレジリエンスの発達を促すには?