自分が構想したレゴセットが製品化されるなんて、そうそうあることではありません。
でも、25才の大学院生トルーマン・チェンさん(以下敬称略)はその夢を実現したのです。彼の作品は、レゴファンのアイデアを募集するレゴ アイデア コンテストで1万票を獲得し、製品化されました。
さあ、レゴ®アイデア ゴッホ 「星月夜」をご覧ください。
発案者のトルーマンさんにこのステキなセットの開発秘話や夢を実現する方法について質問しました。
ひらめきの瞬間!
「フィンセント・ファン・ゴッホの作品が大好きで、いつかこの名画をレゴ ブロックで再現してみたいと考えていました。ある日、レゴパーツで遊んでいたところ、間隔を開けて不規則にプレートを重ねるとゴッホのあの独特なタッチのように見えることに気付いたんです。それをきっかけに、どんどん構想が固まっていきました」
稀代の傑作をレゴ モデルに仕立てるのは、たやすいことではありません。しかし、トルーマンは炎の画家ゴッホにオマージュを捧げるため、新鮮な発想で歴史に残る風景画を再現しました。
特にモデルの3D効果にご満悦だそうです。
「立体的な構成が、巷にあふれる星月夜のレプリカものとは一線を画します。もちろん、色や形をありのままに再現し、名画に忠実であろうとしました。しかし、ちょっとした遊び心を加えることで、作り手にワクワク感とやりがいを与えるモデルに仕上がりました」
香港在住のクリエイターにとって、これこそまさに創造力の勝利でした。
デザイン画から製品化へ
持てるだけの時間と創造力をつぎ込み、製品化にこぎつけたとき、トルーマンは舞い上がるような気分でした。
「興奮しましたよ。名画を愛でるだけでなく、それをもとに何かをつくり出す作業に参加できるなんて、すばらしい体験でした。今回のセットは、年齢や文化の異なるたくさんの人たちに楽しんでもらえるはずです。ゴッホの名画を数多くの人たちと分かち合い、彼のレガシーにオマージュを捧げます」
商品開発プロジェクトはトルーマンにとって全く新しい体験でしたが、子どもの頃から遊び続けてきたレゴ ブロックの知識が役立ったことは言うまでもありません。
「たくさんのカラフルなブロックが入ったレゴ クラシックの赤いバケツで家や乗り物、キャラクターを組み立てて遊んだことを覚えています。それがレゴ ブロックで遊んだ最初の思い出です。
それから、レゴ アドベンチャーダイブ(6559)が欲しくてたまらなかったけれど、買ってもらえなかったんです。そうしたら、兄が「ものすごくカッコいいクジラの骨格標本を自分たちでつくろう」と言い出して、いっしょにつくったこともありました。子どものぼくにとって、それは不可能を実現したような心が満たされる体験でした」
フロー状態に入る
星月夜のように特別な思い入れのあるモデルをレゴ ブロックで組み立てるとき、トルーマンは夢中になるあまり、無我の境地のようなフロー状態に入ると言います。デザインを煮詰めていくプロセスには、ある種の癒し効果がありました。
「時間が経つのを忘れるほど組み立てに没頭してしまうんです。レゴ ブロックでモデルづくりをする時はいつもそうです。組み立て説明書に従いながら市販セットを組み立てているときですら、フロー状態のシミュレーションをしているような感じがします」
レゴ ブロックは、年齢にかかわらずいつでもどなたにでもお楽しみいただけます。レゴ ブロックの組み立て遊びは、完全にスイッチを切って、その瞬間に全神経を集中することができ、ストレス解消に役立つことが実証されています。
情熱を見つけよう
「子どもの組み立て遊びは、アイデアがどんどん膨らんでいきます。色や形を大まかに決めたら、想像力で細かい部分を埋めたり、つけ足したりしていく。一方、大人はパズル感覚で取り組み、頭の中に出来上がっている完成品のイメージに向かってモデルを作り上げていきます」とトルーマンは言います。
いずれにしても、組み立て終わったときの達成感と充足感に違いはありません。
何から始める?トルーマンのように、あなたの興味・関心をレゴ組み立てセットと組み合わせることから始めてみましょう。
もしかしたら、あなたのアイデアが製品化され、レゴ ストアに並ぶ日が来るかもしれません。レゴ アイデアについてはこちらをご覧ください。